成田空港で村上春樹に遭遇~2018年4月パタヤ旅行記(2)
行きのエアアジア便が4時間ものディレイとなって、どこのレストランで食べようか悩みながらプラプラと空港内を歩いていたとき。
誰かを待っているであろう中年男性に目が止まります。
ジャケット、ジーンズ、スニーカーという出で立ち、ジャケットの胸ポケットにはティアドロップのサングラスが下がっており、確信に変わります。
『村上春樹だ!!!!』(心の叫び)
たぶん、海外へ向かうのに、マネージャーだか引率の人がチケット手配とかしているのでしょう。
小さな茶色の肩掛けバッグを下げ、立った状態で柵に寄りかかり、足を交差させて人を待っている感じ。
村上春樹なんて、わかるヤツにしか判別できません。
しかも有名人オーラは皆無でした。
鶴次郎が若かりし頃、なぜか夢中で彼の本を読んでいた時期がありました。
で、『少年カフカ』という本に、鶴次郎から村上春樹宛のメールとそれに対する返事が掲載されました。
この本は長編小説『海辺のカフカ』後に、村上春樹が読者からメールを受信し、抜粋して返信したものを書籍化した本です。
「返事なんて来るわけ無いよなぁ」と思っていたところ、返信が届き、さらに書籍にも掲載されてしまいました。
その後も彼の本を読み続けたのですが、『海辺のカフカ』を頂点に何となく面白さを感じなくなり、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んで「こりゃ自分と合わないなぁ」と思い、『騎士団長殺し』で「もうムリ」と感じるようになりました。
その間、マスコミでは彼が毎年のようにノーベル文学賞候補として騒がれていたので、今ではかなり多くの人が、彼の顔を見たことがあると思います。
そんなワケで、当の本人が目の前に立っているという状況に、けっこう興奮してしまったのですが、昔から「声を掛けずにひっそりやり過ごしてね」というのが彼の持論。
その持論を思い出し、声もかけず、ひっそりとやり過ごした次第です 笑。
すると案の定、ちょっとした美人マネージャ(?)が現れ、二人は出国審査だか、別の場所に向かって歩いていきました。
その後ろ姿を眺めつつ、向かのは欧米かなぁ、ビジネスかなぁ、それともファーストクラスかなぁ、などと考えていた貧乏性です 笑。
LCCで、しかもパタヤなんて、たぶん一生縁が無い人なんだろうなぁ、と 笑。
それもこれも、エアアジアが4時間ディレイしてくれたおかげで、ナマ村上春樹を間近で見ることが出来たわけで、一応は感謝しないといけないかも。
でも、ナマ村上春樹に会わなくて時間通りのフライト、のほうが余程ありがたいんですが。
で、数日前には、スキャンダルを理由に今年のノーベル文学賞はナシというニュースが。
これは鶴次郎の悪運が村上春樹に憑依したせいだな、と勝手に想像しております。
ファンの人、ごめんなさい。
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